ゾはゾウリムシのゾ

クラゲもプランクトンだって、知ってた?大きさにかかわらず、水流に漂う生き物がプランクトンなのです。だから、ゾウリムシも、クラゲも、仲間だよね・・・

顕微鏡で。
ほんとはもっとスリムですが、スライドグラスで押さえつけてしまうとちょっと太めに見えてしまいます。

ゾウリムシ(Paramecium.sp)です。ユーカリオテ(真核生物)、バイコンタ上界、アルベオラータ界、繊毛虫門、貧膜口綱、ゾウリムシ亜綱 、ゾウリムシ目、ゾウリムシ属。和名ゾウリムシといわれている代表「種」のP.caudatumは単細胞生物としてはかなり大きめ、0.2ミリメートルぐらいのサイズ。
上からみると草履のような形だから、ということで英語名のslipper animalcule、スリッパムシの訳語です。
実際には平べったくなくて紡錘形というか、両端が丸まった円筒形の葉巻型、魚雷のような形で、長いほうを軸に回転しながら遊泳します。

近縁にいくつかの種があって、さらに見た目は全く区別か付かないけど交雑が出来ない「シンジェン」という分類が種の下にあるんですが、この話はまた、そのうち。

顕微鏡がなくても見える

ゾウリムシの素晴らしいところは単細胞の原生動物としては巨大と言っても良いそのサイズです。0.2ミリ、200マイクロメートルがその平均的サイズ。多細胞生物の普通の細胞の平均的なサイズはゾウリムシの10分の1ぐらい、10〜30マイクロメートルくらい。細胞でも植物(カサノリやバロニア、数ミリ〜数十ミリ)や動かない物(ダチョウの卵の卵黄)ではもっと巨大なものがあるわけですが、肉眼で動いているのを観察できるのはゾウリムシくらいなんです。

飼い方は簡単

少しだけ有機物を含んだ水に、一匹のゾウリムシがいればもう増えてしまいます。
いろいろなエサが工夫されていていますが一番身近なところではお茶でしょうか。
飲む濃さの10倍くらいに薄めたものでお試しください。
ゾウリムシが食べているのは実際には有機物を分解して増殖したバクテリアです。水中に浮かんだ状態で捕食しているので飼育水がちょっとだけ濁って見えるのがゾウリムシにとっての理想的な環境といえます。よく誤解されるのですが、ゾウリムシの餌と思われているビール酵母やドライイーストも、実はバクテリアの為の餌です。ゾウリムシは酵母を細胞内には取り込むのですが、ほぼそのまま排出しちゃう。
バクテリアはゾウリムシと一緒に飼育水に入り込むのでとくに意識して導入する必要はありません。

一日に一回増える

いきのいいゾウリムシを一匹捕まえて24時間観察し続けたら平均一回かそこら、ゾウリムシの分裂ショーに立ち会えるはずです。計算上では4個体を同時に観察していれば6時間で、24個体なら1時間でも観察できそうですが、昼夜がある環境では夜に分裂が起こることが多いので夜更かしは覚悟で。
ゾウリムシの分裂は縦に伸びて真ん中がくびれる様に二等分になって増える横分裂スタイル。
誤植じゃないですよ、縦に分裂するのが横分裂であってます。 横に増える方が縦分裂です。魚の縦縞横縞と同じく感覚的にちょっとだけ違和感があるほうが正しいと覚えておいてください。いやいや、縦列駐車は縦に停めるで正しいですよ!ゾウリムシごときのせいで日常生活に支障をきたしませんように 。

ゾウリムシの 寿命

増殖方法が分裂だけというと、この個体はいつから生きているのかって疑問が浮かんだりしませんか?
太古の昔から変わらず生きていてこの先も無限の生命を持っているのでは?と。
残念ながらゾウリムシの生命は我々ヒトと同じく、永遠ではないことがわかっています。種によって分裂できる回数が決まっていてそれぞれ数百回分裂するあいだにリセットするアクションを起こせなかった細胞は死滅します。リセット方法の一つが接合です。
分裂の限界っていうとDNA末端のテロメア配列が分裂のたびに短くなるヘイフリック限界が有名ですが、ゾウリムシではテロメアが短くなる現象は見られないことが知られています。接合自体がままならなくなっちゃうらしいのです。それにリセット直後の 「幼すぎる」個体も接合に参加できないらしいのです。

接合とオートガミー

2体のゾウリムシが小核を交換して遺伝情報をシャッフルするのが接合。接合しないで自分の「自家受精」的に自分の小核を融合させて手持ちの遺伝情報でシャッフルを行う方法もあって、こちらはオートガミーといいます。どちらの方法でも遺伝子セットとしての「私」はいなくなって自分によく似たゾウリムシとして生まれ変わるわけです。接合には配偶子の大きさに差があるオスメスのような性別の概念はないのですが、同じ型同士は基本的に接合しない「接合型」が2種類あって
、O型とE型と呼ばれます。単純な分裂増殖ではO型からはO型、E型からはE型しか生まれないので普通の培養では接合ってあまり見られないのですが、あっさり絶えてしまわないのは前述のオートガミーがあることと、接合型が突然かわる接合型変換もあるために実際には飼育下でゾウリムシの分裂限界を観察するほうが難しいのですね。
ちなみにOとEって、odd mating type ,even mating type の略称らしいのですがまあ、性とはちがう補完的な二つの属性と言うところで、お好みのアナロジーで認識頂いて大丈夫です。

お好みの楽しみ方で

飼い方のこれがベスト、というものはありません。大規模な飼育装置は不要ですから、様々な試行錯誤、自由研究をお楽しみ頂けたらと思うのです。ちなみに店主のマイ・ベスト・メソッドは、ペットボトルをつかってドライイーストを適量、です。増え方ゆっくりでときどきドライイーストを追加する手間をかけていないとひと月くらいしか安定しないけど、一つだけいいのは、フタをあけても匂いが比較的マイルド、というところでしょう。

クラゲ・ヒドラのおまけに・・・

見たことないから、見てみるだけ、でもいいんです。

クラゲのおまけのゾウリムシは、ゆうパックでお送りする荷物の隙間にいれてお送りします。お一人様一回一個限り、です。

ゾウリムシだけ、でも。封筒に入れて定形外郵便でお送りします。お送りするのはP.caudatumと思われる株ですが、いわゆるシンジェン、接合型など不明です。

NE-002F
ゾウリムシ(おまけ)1mlマイクロチューブ入り生体のみ
無料(送料別)
NE-002 ゾウリムシ生体のみ
( 2つめ以降 または 郵送)
¥500(送料込)
NE-032 ゾウリムシ +飼育キット(郵送) ¥1,200(送料込)

NE-032の飼育キットの内容は以下のとおり。


・ゾウリムシ
・塩素中和剤(水道水のカルキ抜き)
・ドライイースト 約3g
・ミニピペット
・極小ピペット
・ミニシャーレ
・ガラスビーズ(簡易顕微鏡自作用) 
・ろ紙(濃縮用)

見たことない、という方は是非。

もしよろしければ、ミドリムシ(ユーグレナ)もあわせてご注文いただければ幸いです。