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愛玩用としてのミドリムシ
ごぞんじ、ミドリムシ、です。
最近または栄養補助食品などとして注目されている
ミドリムシ 、学名ユーグレナ(Euglena)ですが、学校の授業で習ったきり、「知っているけど実物を見たことがない」生き物になってしまっているのではないでしょうか。
そんなわけで、あくまでもペットとしての販売です。もしくは、実験・観察用として。
念のためお断りしておきますが、食用ではありません。
動物プランクトンっぽいけど光合成する、植物プランクトンっぽいけど極めて活発に泳ぎ回る、このどっちなんだかわからないあいまいさがなんといっても魅力。
緑色の体に、ながい鞭毛(べんもう、ムチみたいな毛)が一本と、その根元にある赤色の眼点がチャームポイント。ユーグレナ、は美しい眼、という意味だそうです。ちなみに鞭毛があるほうが進行方向です。
水さえあれば
難しいところはなにもありません。塩素中和済みの水道水に液体肥料を1滴か2滴入れたペットボトルに種となるミドリムシを入れて明るいところにおいておくだけ。
水温は念のため室温にあわせておいてからのほうがいいので、ご注文いただいたらさっそく、水を準備してお待ちください。
500ccの透明なペットボトルをいくつか。お住まいによっては、「水があわない」可能性もあるため最初の一回だけ、水道水のかわりに浄水器を通した純水や市販のミネラルウォーターなどご用意いただいたほうがよいかもしれません。
ミネラルウォーターは極端な硬水でなければなんでもいけるはずですが、選ぶなら中性、ph7.0に近いものを。飼育容器はペットボトルそのまま、が便利です。
そのままでは空気にふれる面積が少なすぎるので、1割ぐらいの水を捨ててペットボトルの肩の部分が水面になるように。
ミドリムシが届いたら
セットでは増殖している培養液ごと1ミリリットルお送りします。
このなか100~1000匹以上入ってます。肉眼ではぎりぎり見える、というところですが、10倍ぐらいのルーペがあれば容器の外からでも観察できるはず。
すごく小さな粉末のような生き物が、緑色またはちょっと金色に輝いて泳ぎまわっているのがわかるでしょうか?
だいたい一日に1~2回分裂して増えるので一滴からでも充分に殖やせます。
おっと、蓋をあけるときはこぼしてもいい場所で。飼育水が落ちてもピペットで拾えるように、ビニールなどの上で作業をしてください。
セットには準備済みの培養液いりペットボトルを用意していますので、まずはそこに極小ピペットで1滴のミドリムシを投入してください。
培養液のつくりかた
500ミリリットル入るペットボトルにミネラルウォーターか、塩素中和済みの水道水を450ミリリットル入れて、付属の液体肥料を1滴入れて良く掻き混ぜるだけ、これが基本。 液体肥料はもうすこし濃い濃度にしたり、煮沸消毒した赤玉土を入れたり、砂糖水をほんの少し加えたりなど、様々な流派があるようですがいずれも濃すぎる溶液は増殖に効果が無いだけではなくミドリムシが死滅する原因になります。液体肥料の青色がわかるかわからないぐらい、というのを目安にしてます。
井戸水や、野外に汲み置きしたバケツの水は、絶対だめ。水道水に塩素中和剤を使うほうが他の生物の混入という面では安全なのです。
ペットボトルに入れて日陰やガラス越しの日光にあてたぐらいでは塩素は抜けないので、かならず付属の塩素中和剤を使ってください。450ミリリットルの水道水なら2滴か3滴。
たぶん一番単純で原始的な方法です。具材なんにも入れないインスタントラーメンみたいなものですが、まずは基本ということで。
ペットボトルでも、シャーレでも
付属のピペットで、このままペットボトルに入れたら飼育(培養?)開始です。だいたい三分の一ccぐらいから始めるのがちょうどよいのですが、手先が器用なかたはぜひ、一匹から増やす、なんていうのも挑戦してみてください。この場合はぜひ付属のシャーレで。 シャーレは蒸発もはやく他生物の混入も防止しにくいので長期間の飼育にはあまり向いていないのですが、短期間の観察にはもってこいです。
明るくて万一水をこぼす心配もなくて、という場所はなかなか見当たらないので一回り大きなトレーにシャーレを載せるか、透明な蓋のついたケースなどを併用するのが安心です。
飼育限界
ペットボトルならばかなり長期間そのまま飼育出来ますがいつかは限界がきます。たぶん、最長でも6ヶ月ぐらい。
目安は緑色の沈澱ができはじめたとき。水面やボトルの内側に藻類がつきはじめときは要注意、他生物が混入しています。一刻も早く植え継ぎをしてあげてください。
コンディションがよければ一つのペットボトルで培養しつづけることもできるのですが、過密になりすぎて一気に崩壊しちゃうことがあるので早めにバックアップをかねて早めに植え継ぎをしておくのが安全です。
適当なタイミングで新しい容器を作りながら、古いほうは沈殿だけとりのぞいたり容器だけ新しくしたり、培養液を継ぎ足ししたりしながら徐々にいい「濃さ」が出てくる容器を「育てる」のも、ミドリムシ的には邪道なんだけどちょっと楽しいのです。
ガラスビーズについて
これは、おまけ。直径2ミリメートルぐらいのガラスの球をセットにお付けします。
ここでは詳しい使い方については説明をしませんが、ちょっとした工作で顕微鏡ができあがります。もちろん光学用ではないので精度は低いのですが倍率は200倍ぐらいになるのです。
工作はいろいろな方法がありますが店主のお気に入りは、プラスチックの透明な板2枚に厚さが2ミリメートルのスペーサー(厚紙、粘着テープをかさねたもの、粘土などなんでも)に2ミリメートルの穴をあけたものを用意して、ガラス球をはめ込んで挟み込むだけ、というもの。片面にミドリムシの入った水滴をごく微量のせて下からまつ毛が触るぐらいに目を近づけてのぞくだけでも何かがうごめいているのが観察できるはず。この方式のいいところは、スマートホンのインカメラに乗せるだけで顕微鏡観察が手軽にできること。機種によっては目で直接見るよりもピントが合いにくいですが、そんなときは上から照らす照明、懐中電灯かペンライトを使って光の強さと方向を工夫してみてください。
飼うこと自体を目的に
くりかえし申し上げますが、食用にはしないでください。
ジェット機の燃料に使うことも、二酸化炭素排出量を抑えるプロジェクトもひとまず置いておいて、純粋に飼育をお楽しみください。
ペットボトルで飼うのはほんの一例で、本来の楽しみ方はもっと自由です。ペットとして飼うだけではなくて他の動物性プランクトンや懸濁物捕食性の付着生物の餌として活用していただくのもよし、少しずつ飼規模をおおきくしていって90センチ、150リットルの水槽いっぱいにミドリムシを高密度で飼うのもよし。
個人的には1リットル位の完全に密閉できる容器に土とミドリムシと厳選したとっておきのお気に入り生物たちを組み合わせて外部光以外は自給自足の「バランスドアクアリウム」に挑戦したいところなんですが、ただ飼ってて眼が疲れない程度の倍率のルーペで金色の雲が水中を漂うのをながめるだけで充分に楽しい。
生き物ってクラゲでも虫でも、とにかくそこいらにいるだけですごい奇跡なのです。 ずっと信じていた「どうぶつ」という概念がちょっとだけぐらぐらする感覚は、図鑑で知ってるだけのときと実際に目の前にあるときとでは違うものです。
特別価格で、送料込みで
どうしても一度、飼ってみて欲しいのです。
生体のみのキットは採算度外視です。クラゲ・ヒドラなどのお買い物と一緒にちょろっと同梱できるように無料の「おまけ」として設定しています。
ミドリムシだけ欲しい!という方にも送料が負担にならないように送料込み(全国一律)の料金にしてみました。
郵送の到着は2~3日ほどかかる場合があります。到着時にご不在でも、郵便受けに投函されます。
梱包とか出荷コスト考えるとうちみたいな超零細ショップにはキビシイ価格なので、 ご予算に余裕がある方は、どうか、2セット注文してご家族、お友達とシェアしていただければ幸いです。もしくはゾウリムシNE-002とあわせてのご注文を。
NE-001F | ミドリムシ(おまけ)1mlマイクロチューブ入り生体のみ | 無料(送料別) |
NE-001 | ミドリムシ生体のみ ( 2つめ以降 または 郵送) | ¥500(送料込) |
NE-031 | ミドリムシ生体+飼育キット(郵送) | ¥1,000(送料込) |
NE-031の飼育キットの内容は以下のとおり。
・ミドリムシ
・塩素中和剤(水道水のカルキ抜き)
・液体肥料
・ミニピペット
・極小ピペット
・ミニシャーレ
・ガラスビーズ(簡易顕微鏡自作用)
・ろ紙(濃縮用)