光合成するイソギンチャク

セイタカイソギンチャク
セイタカイソギンチャク、シャーレ飼育。

イソギンチャク第二段。セイタカイソギンチャクをご紹介します。

褐虫藻入ってます

褐虫藻を体内に共生させているイソギンチャクです。

造礁サンゴや一部の鉢クラゲも持っている褐虫藻(zooxanthella)ですが、サンゴとなるとそれなりの飼育設備が必要です。クラゲのほうがやや手軽ですが、もっと手軽に褐虫藻の実験や観察ができるのは魅力です。

褐虫藻
セイタカイソギンチャクの褐虫藻

敵に回すとヤバいやつ

嫌われ者なんです。

海水水槽、とくに無脊椎水槽といわれるサンゴを中心に楽しむアクアリウム愛好家にはダカツのごとく嫌われてます。

チギレイソギンチャク同様の強い増殖能力とともに、毒性の強い刺胞が同居する生物を脅かすのたちの悪いところです。

無理に除去しようとして砕片が残るとそこから再生するということもあって一度増え始めると手に負えなくなっちゃう。水槽をお持ちの方は扱いに注意してお楽しみください。

ちょうどいい大きさ

好みはあるとおもいますが。

イソギンチャクの仲間って大きいのはまるごとのハクサイぐらいになるやつもいて油断ならないのですが、セイタカイソギンチャクはそれほどでもない。

店主がちょうどいい大きさだと思うチギレイソギンチャクよりかなり大き目、細身の身体つきで、最大に育ってみょーって伸びたときに5センチメートルぐらい。触手も入れるともうちょっと大きい計算になります。

ただ実際に止水で飼ってみると、2センチメートルならかなりの大きさ。もちろん水流と水量と光量が充分にある水槽さえあれば大きく育てることももちろん可能です。

大きく育った個体は止水環境に戻しても極端には縮まないようなので、条件を揃えて巨大化に挑戦してみても面白いですね。

名称について

和名のセイタカイソギンチャク(背高磯巾着)はひょろっとした外形から。英名としてはPale Anemone(青ざめたイソギンチャクの意)が一般的のようです。

学名は(おそらく)Exaiptasia diaphana で、ちょっと前まで Aiptasia pallidaの名でおなじみでした。Aiptasiaがいつも翼(のように触手を)拡げている、の意味、diaphanaは透明の、意味。ExがつくとAiptasiaではない、とか特別な、というところでしょうか。2014年に新設されたこの属はいまのところE.diaphanaただ一種です。旧種小名のpallidaは英名と同じく青白い、ですね。

アクアリストからはカーリー(らせん状の内部構造や槍糸に由来)だとかトリフィド(ジョン・ウィンダムの古典的恐怖SF「トリフィドの日」に登場する人を襲う植物に由来)とかずばり「ペスト」なんて呼ばれて恐れられたりしています。このうちカーリー、は英語圏では別種のイソギンチャクBartholomea annulataの通称(curly cue,curly Qとも)として使われてて、ややこしいから避けようという動きもあるみたいです。

当店では和名のセイタカイソギンチャクということで販売いたします。店主としては旧属名のアイプタシアの語感の可愛らしさがちょっと気に入ってたんですけど。エクスアイプタシア、もまあ、悪くはないですね。

せめてあなたが付けてあげる名前は、優しいものでありますように。

とっておきの水槽を用意して

これはセイタカイソギンチャクならではの楽しみ方なのですが。

蓋ができる容器をひとつ、セイタカイソギンチャク用にご用意ください。あとは直射日光があたらない明るい場所を置き場所に選ぶだけ。

小さいものでは錠剤の空き瓶でも大丈夫。ガラス製のハチミツやインスタントコーヒーの空き瓶がちょうどいいのですが、洗剤を使っていないものがいいのでしばらくは透明なペットボトルなどに入っていてもらってからゆっくり用意してはどうでしょうか。

もちろん、ふつうにポリプ専用水槽やシャーレで飼う場合も、いっぴきだけ、バックアップも兼ねてこんな飼い方をしてみてください。

ごはんは週にいちど

もともとイソギンチャクは代謝がすごく少なくて餌を食べなくても長期間耐える子たちなのですが、セイタカイソギンチャクの場合は褐虫藻の助けがあるので健康的な状態を保つのが簡単です。ただ実験的な意味合いでなければ時々、週に一度とか月に2回とか決めて少量のブラインシュリンプを与えてください。

お勧めというわけではないですが、ちょっと大きくなった個体では観賞魚用の粒状の飼料も食べてくれるようです。これはありがたいことで、生きたブラインシュリンプを用意できないような場所(たとえば仕事場でこっそりとか)飼うことができる、ということですよ!ただしまだ小さい個体は飲み込めないか、飲み込んでもすぐに吐き出してしまうようです。

シャーレなどの小さい水槽でしたら給餌後1〜4時間をめどに、食べ残しを取り除くことを兼ねて海水を交換してください。2リットルあるような金魚鉢ぐらいの水槽で、個体数がすくなければ餌やりっぱなし、でもいいですが食べ残しやうんち(数時間後に口から出します)をピペットで取り除くのが理想です。

照明と色の変化

直射日光をさけて、明るい場所を確保してあげてください。

暗い場所で飼っていると白くなっちゃうんです。ただこれは褐虫藻がなくなったわけではなく減っただけなので、明るい場所に戻せばまた褐虫藻が増えて飴色の姿に戻ります。

ただし高温にさらすと褐虫藻を吐き出してしまう「白化現象」が起こり、これは再度褐虫藻を獲得できないといつまでも真っ白なままです。造礁サンゴでも知られている現象で褐虫藻が排出する過剰な活性酸素から身を守るための手段ともいわれている、アレです。

白化個体は栄養補給を餌にだけ頼るので成長も増殖もゆっくりになるのですがこれはまた美しくて、飼育下での生存には問題はないようです。

空き瓶で飼いたい

なんとなく捨てられない空き瓶って、ありませんか?ハチミツとかジャムとか、蓋ができてちょうどいいガラス容器に、小さな鉢植えを置くぐらいの気持ちで飼っていただけたらと思います。

きわめて気楽に飼える海洋生物です。海の生き物を飼ったことがない方も、もし少しでも興味がありましたら「ちょっと手元に置いてみる」をご検討いただけたらと思います。

F-012セイタカイソギンチャク 1〜3個体 +飼育セット¥2,500(送料別)
F-002 セイタカイソギンチャク 1〜3個体 生体のみ ¥1,000(送料別)
F-002W セイタカイソギンチャク白化個体(1個体)¥1,100(送料別)

F-012の飼育キットの内容は以下のとおり。
・セイタカイソギンチャク(1〜3個体)
・ブラインシュリンプの卵(餌)
・ブラインシュリンプ用スプーン
・飼育用海水(500cc)
・飼育用海水の素(500cc分x2)
・ピペット
・ミニピペット
・シャーレ
・ミニシャーレ
・塩素中和剤(水道水のカルキ抜き)

ちいさめの個体をお送りします、ゆっくり育てたり、大きくしてみたり、あなたにちょうどいい付き合い方を探ってみてください。餌の与えすぎは増えすぎちゃうので、それだけはご注意を。

あっ、真っ白の白化個体も販売します。こっちは餌で栄養を与えて甘やかして育ててください。